2019/12/06
どうして人と比べるのか 『比べる』の正しい使い方
人と比べて自分はまだまだだ、とか、なかなかなもんだぞ、とか……上には上がいるし、下にも下がいるし、比べることは意味ないだろと思いながらも比べてしまう。
そんなことありませんか。
身長や体重、健康診断の数値から年齢、収入、友達の数
持っている服やアクセサリーの値段や数や、子どもの通っている学校の偏差値、所有してる車の台数、家の広さ、飼っている犬の値段や血統書の有無や……
地域にも社内にも学校にもカーストがあって、常に比較して自分の位置を探ってる
所属する場所の限定された価値で比較し、比較され、自分も他人も断片に切り刻む
本来人には、無数の要素があるのに
比べたその部分は、全体の一部分でしかないのに
でもその一部分が、その人にとっては譲れない一部分だったりして
イイネの数を苦にして自殺をしてしまった人のニュースとか……その辛さは想像できるから、胸が痛くなってしまう
ずっとずっと遡ってみると、比べるって、ずーっとやってきた。
背比べの兄弟。どっちが背が高い?
切り分けられたケーキ。お兄ちゃんの方が大きいだのなんだの。
泥だんご。ぼくのほうが大きい!わたしのほうがきれい!
かけっこは誰が一番はやい?鉄棒、何回回れる?
ケンカもしたけどね、本当は楽しかったかもしれない。
くらべると、いろんなことが分かるから。
どっちが長い?短い?
どっちが早い?遅い?
どっちが大きい?小さい?
世界は広い!分からないことがいっぱい!はかってみよう!比べてみよう!
そうやって、いろんなことを知ってきた。
本当は世界を知る方法のひとつだったんだけど、いつから苦しくなってしまったんだろう。
あの子はいいな。素敵だな。
それに比べて自分は──
ただ違いを知るだけの方法だったのに、どうしてかな。
道具は、使い方を間違っちゃいけない。
脱出島のあばれる君にナイフは無敵。
でもナイフって使い方間違ったら怪我をするし、痛い。
正しいナイフの使い方を教えてくれる人はいるかもしれないけど、正しい比べ方はなかなか教えてはもらえない。
だから、痛かったら学ばないとね。
『比べる』は自分と世界を知る方法
知ったことを、自分に役立てなきゃ。
『比べる』 使用上の注意
比べている所は正しいですか?
片方が曲がっていたり、拡大縮小したりしてませんか?
むやみに自分を傷つけてはいけません
むやみにひとを傷つけてはいけません
比べるのは知るため、活かすためと心得よう
みゆ