2019/12/24
健康よりも大切なもの 目線を空へ
小3の息子の冬休みの宿題に、「百人一首を20首覚える」というのがあります。
今日から冬休みに入った息子は、朝ご飯を食べた後で百人一首が書かれたプリントを取り出し、こんなのおぼえられへん~~と言いながら、たどたどしく読んでいました。
プリントは横書きで、上の句、下の句、作者の順に左からすべてひらがなで書いてあります。
そのせいか、息子の音読はただひらがなを読んでいるだけの、意味のない音の羅列で……聞いてるだけでとても可愛い。
2,3首読んで黙り込んでいた息子、じーっと紙を眺めながら「これ、もっちー先生すきそう」と呟きました。
もっちー先生というのは、お餅が好きなことからついた担任の先生のあだ名。
「どれ?」
「ほら。ちゅうなごんやか、もち。」
しかも小3の小僧に”これ”扱い(笑)
まぁオールひらがなやしね。しょーがない(笑)
実は長女も清少納言のふりがなを、「せいしょ、うなごん」と読んでいた。
うなごん( ̄▽ ̄;)
さすが姉弟(笑)
さて今日は、健康はとても大切だけれど、見つめるのは空がいいというお話です。
特にうつのお客さんを見ていて感じることですが、症状が重いせいももちろんあるんですけど、来られたばかりの頃は症状の事ばかりを考えています。
どうしてこうなったのか。
なぜ自分が。
いつになったら良くなるのか。
当然と言えば当然。だって辛いから悩むんですもんね。
一日の関心の中心は、現れている症状のこと。
たまに調子の良い日があっても、今日は調子が良いからこんなことをしようという発想にはならず、何で調子がいいんだろうって考えたり、油断すると戻るのではないかって気にしたりする。
ところが治療が進んで心身ともに健康に近づくと、症状のことはあまり気にしなくなります。
治療中の話題は、もっぱら身近に起きたことや話題のニュースなど、関心が外に向いているのがよく分かります。
身体は随分良くなっているのに、元気が出てこない。
そういう方もいらっしゃいます。
気を付けて見ていると、関心が自分の体や症状にばかり向いているんですね。
きっと動けばいろいろ変わって来るよ、と思うのに、じっと自分の内側に閉じこもって出てこない。
こういう時、無意識という認識外にある世界では色々な学びが進んでいるけれど、本人が自覚できるのは立ち止まった自分だけだったりする。
これが、辛いんですよね。
この期間をどのくらいで抜けられるかは人それぞれ。
でも、人付き合いが苦手で孤立している人ほど、その期間は長くなるような気がします。
家族や友達など風を起こす存在が無ければ、自分という檻の中に閉じ込められてしまいやすいからかもしれません。
健康は本当に大切で、それは年齢を重ねるほどひしひしと感じられます。
だからこそそれを失った時は立ち止まり、俯いてしまう。
それはとても大事な時間だったりするけれど、でも。
目線は、高く。
羽根を休めたあと、どこへ行きたいか、誰と飛びたいか、どんな風に、空を。
自分の外へ目を向けて、広がる世界で何をするか。そこに健康があれば、なお選択肢が多くなる……それだけの事。
実は健康そのものよりもそういう視点の方がずっと大事です。
そしてそんな風に顔を上げている人の方が、治癒の経過は良好です。
それは分かっているけど、前向きになれない。
そんな時は、物理的に上を向いてみましょう。
空を見上げてもいい。
部屋の天井に好きな写真を貼って、眺めてもいい。
とにかく、顔を上げる。
とある健康な心理学者がうつ病の研究のために毎日下を向いて1000回ため息をつき続けるとどうなるかいう実験をしました。
これ、見事にうつ病を発症しました。
だからね、逆の発想です。上を向いて、深呼吸するんです。
ベランダに出て空を見上げ、外の空気を吸うんです。
目に映ってはいても心を開かなければ見えない景色が、きっと見えてきます。
2020年1月26日(日)に予定されているワークショップ『あなたを知るワーク イメージリーディング入門』は満席となりました。
次回は2月に行う予定にしていますので、参加してみたいな~と思われていた方は次のお知らせまで今しばらくお待ちください
みゆ