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2019/01/22

時間をかけると分かること

長く植物を扱うお仕事をされているお客さんが、「お花をいけるときは、お花が行きたい、と言っている場所へいけるのよ」とおっしゃいました。

 

 

最初は分からなくても、だんだんお花の声が聞こえるようになるのだと。

 

 

その話になったのは、「先生は、痛いところや悪いところが触っただけでよく分かりますね」と言われて「習いたての頃は全く分かりませんでしたよ」という話が膨らんで行ったからでした。

 

 

ツボというのは、「壺」からイメージされる通り、多くの場合へこんでいます。

 

 

初心の頃に感じ取れるヘコミは、明らかにペコッと力が無くなっている場所。探すことはそれほど難しくありません。

 

 

ところが、経験を積んでくると、皮膚や脂肪層のもっと下の直接は触れないへこみが分かってくるようになります。

 

 

鍼灸師によって、あるいは流派によって狙い方は様々ですが、私はそのへこみがどのくらいの深さでどちらの方向にへこんでいるかというのを指先で感じ取って施術をします。

 

 

不思議なのですが、同じ場所に同じ深さで……例えば1センチとか5ミリとか鍼を刺すとしても、そこに異常を感じ取れているかいないかで結果が全く違うのです。

 

 

つまり、熟練の先生に『この場所がおかしい』と教えて頂いて鍼灸の専門学校の学生が刺したとしても、その先生が出せる結果を、学生は出せないということです。

 

 

〇〇というツボが〇〇に効く!という言い方をよくしますが、例え鍼灸師であっても、言われた通りのツボにただ刺しただけで効果を出すのは難しいと思います。少なくとも、私の経験では。

 

 

スピードが求められる現代社会ではすぐに結果が出ないことが軽視されがちですが、それを得るために必要な時間というものはやっぱりあるのです。

 

 

お花の声が聞こえるようになるのも、体の声が聞こえるようになるのも、必要な時間をかけたからこそ。

 

 

日々、経験は深くなっていきます。

 

 

それを思いながら、今日も体に触れています。

 

 

 

 

 

 

みゆより。